「怒り」はマネジメントできる|職場の感情マネジメントとアンガーマネジメント実践4ステップ

「つい感情的になってしまった」「もっと冷静に伝えればよかった」――マネジャーとして部下と関わる中で、怒りの感情に後悔した経験を持つ人は多い。怒りは人間として自然な感情であり、それ自体が問題なのではない。問題は「怒りをどう扱うか」だ。怒りの感情を適切にコントロールするスキルを「アンガーマネジメント」と呼ぶ。1970年代にアメリカで始まった心理療法を起源とし、認知行動療法の理論をベースにしている。日本では一般社団法人日本アンガーマネジメント協会の代表理事・安藤俊介氏が体系的な普及活動を行っており、著書『アンガーマネジメント入門』(朝日文庫, 2016年)は同分野の入門書として広く読まれている。

アンガーマネジメントはセルフケアだけでなく、部下への接し方・フィードバックの質・職場の心理的安全性にも直接影響する、マネジャーに必要なコアスキルだ。本記事では、怒りのメカニズムを整理し、現場で実践できる4ステップを解説する。

私が実際に怒りがコントロールできなくなるときは、今までコミュニケーションが取れていたと思い込んでいた部下が急に言うことを聞かなくなったときなどが多い。

これは、今までコントロールできていた部下が今後言うことを聞かなくなってしまうのでは?という不安からくるものだ。

そんなときは、いちど深呼吸し相手の立場を考える。そして

「何かあったのか?」とか

「最近の仕事の進捗や、周りとのコミニケーションは?」など

直近でのその部下や、その周りでの変化にフォーカスし、話をじっくり聞いていると問題が隠れていることがある。

感情的になりそうになったときほど、相手の内側に入り込むアプローチをするとうまくいく。

逆に、相手側に入り込んでの関係性を改善するアプローチ方法が無いと、自分の内側にどんどん入り込んでしまい怒りを増幅させてしまう。

今まで、上手くいっていたのに何でそんなこと言うんだ?と相手に疑問を持った場合参考にしてほしい。

OUTPUT|怒りのメカニズムを知る

怒りは「二次感情」である

安藤氏の著書によると、怒りは多くの場合「一次感情」の二次的な表れだ。一次感情とは、不安・悲しみ・疲労・期待はずれ・恐怖などの感情であり、これらが蓄積・爆発したものが「怒り」という形で表出する。したがって、「なぜ今自分は怒っているのか」を掘り下げると、その下には別の感情があることが多い。

怒りのピークは「6秒」

怒りの感情は発生から約6秒でピークを迎えるとされる。この6秒をやり過ごすことができれば、衝動的な言動を大幅に抑えられる。米国の心理学者レイモンド・W・ノバコの怒りコントロール研究(Anger Control, Lexington Books, 1975年)は、このような短期的な衝動制御が長期的な行動変容の起点になることを示している。

「べき思考」が怒りを増幅させる

安藤氏は、怒りの多くが「〇〇であるべきだ」「〇〇すべきでない」という「べき思考(コアビリーフ)」から生まれると指摘する。「報告は必ずすべきだ」「約束は守るべきだ」という価値観自体は正当だが、その「べき」の基準が他者にも適用されると怒りが生じやすくなる。

実践セクション|アンガーマネジメント4ステップ

ステップ①「6秒ルール」でその場の衝動をやり過ごす

感情が高ぶった瞬間、すぐに発言や行動に移らないことが第一歩だ。深呼吸をする、心の中で「1、2、3…」と数える、その場から少し距離を置くなど、6秒を乗り越えるための個人的な「ルーティン」を持っておくと有効だ。

ステップ②「重要度×変えられるか」のマトリクスで怒りを仕分ける

日本アンガーマネジメント協会が推奨する手法として、怒りの対象を「重要か・重要でないか」「自分が変えられるか・変えられないか」の2軸で分類するアプローチがある。重要でない・変えられない怒りにエネルギーを使うのは合理的でない。怒りの方向を「解決できること」に絞ることで、消耗を防げる。

ステップ③「べき思考」の許容範囲を広げる

「自分のべき」の基準を絶対視せず、「他者は異なるべきを持ちうる」と意識的に認識する練習が有効だ。「報告はすべきだが、タイミングは人によって違う」「約束は守るべきだが、理由がある場合もある」と一段ゆるめることで、怒りの閾値が下がる。

ステップ④怒りを「Iメッセージ」で建設的に伝える

感情をコントロールした上で、怒りの原因となった問題は伝えなければならない。「あなたは〜をしなかった(Youメッセージ)」ではなく「私は〜を心配している/困っている(Iメッセージ)」の形で伝えることで、防衛反応を生まずに問題の本質を共有できる。これはアサーティブ・コミュニケーションの原則とも重なる。

📝 エピソード差し込みポイント②

住吉様がアンガーマネジメント的な対応を意識してみて「うまくいった」「やはり難しかった」と感じた経験があれば、ここに書き加えてください。具体的な場面があると、読者が自分の行動に置き換えやすくなります。

まとめ

アンガーマネジメントは「怒ってはいけない」というスキルではなく、「怒りを正しく扱う」スキルだ。怒りは変化を促すエネルギーにもなりうる。6秒ルールで衝動を抑え、べき思考の範囲を広げ、怒りをIメッセージで伝える習慣を身につけることで、自分自身の消耗を防ぎながら、部下との関係をより建設的に保つことができる。マネジャーとしての感情管理能力は、チームの心理的安全性に直接影響する。

参考文献

安藤俊介(2016).『アンガーマネジメント入門』朝日文庫.

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 https://www.angermanagement.co.jp/

Novaco, R. W. (1975). Anger Control: The Development and Evaluation of an Experimental Treatment. Lexington Books.

Spielberger, C. D. (1988). State-Trait Anger Expression Inventory (STAXI). Psychological Assessment Resources.

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